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東京都台東区の歴史
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所在地 台東区千束3-18-7 (鷲神社)

樋口一葉玉梓乃碑

 年毎に昔の面影を失いつつある町のたたずまいを見聞きするにつけ、その当時の事どもを偲び後世に伝えんと此に明治文壇の閨秀作家樋口一葉の「たけくらべ」の一節、又書簡文を刻して残す。「たけくらべ」は一様が竜泉町に住みし明治26年(1893)7月より明治27年(1894)4月まで10ヶ月間の見聞きした事を書きしものである。文中の鷲神社酉の市の描写は、市の様子を卓越した文章にて記している。また、樋口一葉玉梓乃碑は、師半井桃水に宛てた未発表の書簡文である。
 「塵中につ記」に一葉は明治27年(1894)3月26日に桃水を訪ねたと記されているが、この書簡はその直后のものであろう。”君はいたく青みやせてみし面かけは何方にか残るへき”とにつ記にも記してあり、書簡の行間にも一葉の心が滲みでているやに推われる。
 此に樋口一葉歿後百年を前にし、更に平成発酉五年の酉年を記念し、若くして逝った一葉の文才を称え、その事蹟を永く伝えんと神社ゆかりの文学碑、玉梓乃碑を建立する。
 平成5年(1993)10月吉日 鷲神社 宮司河野英男記
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