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東京都台東区の歴史
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所在地 台東区浅草2-3-1 (浅草寺)

 「濡れ仏」の名で世に知られるこの二尊仏は、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)(右)、勢至菩薩(せいしぼさつ)(左)二菩薩の金銅坐像で、像の高さは共に2.36m、蓮台を含めれば4.54mにおよぶ。基壇の組み石は、長さ約12m、幅6.21m、高さ1.5mとなっている。

 蓮弁台座銘によれば、願主は上野国(群馬県)館林在大久保村の高瀬善兵衛、かって奉公した日本橋伊勢町の米問屋成井家より受けた恩を謝し、観音像は、旧主善三郎の菩提を弔うため、勢至像はその子次郎助の繁栄を祈るため、貞享4年(1687)8月に造立した。
 江戸時代初期の優秀な鋳造仏の一つで神田鍋町東横町(現、千代田区鍛冶町2丁目)の太田久衛門正儀(藤原正儀)鋳造の作。
 安永6年(1777)2月高瀬仙右衛門が施主、千住の高瀬奥右衛門が願主となり、修理したことが観音像銘に追刻されている。
 高瀬仙右衛門は上野国館林大久保村の人、江戸伊勢町(中央区日本橋本町1丁目)の成井善三郎の店の番頭となり、後、主家への報恩菩提のためにこの像を寄進した。観音像はもと左手に蓮華を持っていたのであろう。
 なおこの像と同形で、寄進者・鋳造者も同じ元禄3年(1690)在銘の像が群馬県館林市茂林寺にある。
  平成10年(1998)3月 台東区教育委員会

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